書籍「ユーラシアの歌 原郷と異郷の旅」(2022)は、2016年より音楽詩劇研究所が海外でのコラボレーションによって創作した2作のユーラシアンオペラについてが主な内容。

 

このページでは、第3作「A Night The Sky was Full of Crazy Stars」と、後に続くクルド文化との交流、第4作目「黒潮の子」につながる済州島・沖縄フィールドワークについて書いた文章を紹介します。

 

済州島・沖縄フィールドワーク2023~

 

ユーラシアンオペラOp.3 「A Night The Sky was Full of Crazy Stars」パンフレット

 

蕨で出会ったクルドの歌 


書籍「ユーラシアの歌 原郷と異郷の旅」目次

はじめに 囁きはじめたユーラシアの風と歌

0 道の始まり

1 イスタンブールの喧騒

2 continental isolation/都会の沈黙

3 音の記憶・声の記憶

4 民謡から神無き時代の「神謡集」へ

5 旅と音楽

6 拙い語学力、未知なる音との遭遇

7 外「国」人

8 異邦人の耳 明治の音

9 ワールドミュージックブームの体験

10 ロシア、東欧、社会主義

11 ユーラシアに訊ねる

 

第一部 ユーラシアンオペラ=神なき時代の神謡集

 

第1章 死者のオペラ「終わりはいつも終わらないうちに終わっていく」

1 ミュージック・ポエティック・ドラマ(音楽詩劇)とは

2 小説『アルグン川の右岸』

3 北方狩猟民族エヴェンキ

4 死者のアリア「歌と逆に、歌に」

5 河原から死を告げる声 心中天網島

6 初演「終わりはいつも終わらないうちに終わっていく」

◆「終わりはいつも終わらないうちに終わっていく」登場人物

 

第2章 アルメニア・モスクワ音楽創作記 2016

〈エレヴァン編〉

1 トルコのコーヒー占いによると

2 コミタスと世界で一番哀しい音色

3 エリヴァニ―禁じられた声

4 朝のヴォトカ

6 アルメニア古謡と「天女羽衣」

〈モスクワ編〉

1 モスクワでつげ義春を思い出す

2 アヴァンギャルドが宿る場所

3 ウクライナの真珠、アーニャ・チャイコフスカヤとの出会い

4 二つの子守唄 古謡のない日本

5 二つの湖へ

◆ユーラシアンオペラを彩る海外アーチスト①アーニャ・チャイコフスカヤ

 

第3章 シベリア・トルコ・ウクライナ音楽創作記 2017

〈バイカル編〉

1 重なり合うウイグルの人たち

2 バイカルプロジェクト、日本からのツアーメンバー

3 シベリアの音楽家との出会い

4 イルクーツクのパンク少女

5 ネオシャーマニズムと遊牧民の歌

6 囚人の歌

7 バイカル湖を越えて

8 ザバイカル民族学博物館

 ◆古儀式派セメイスキーと先住ブリヤート族の音楽

9 「機材が燃えたので、できません」 ボイス・オブ・ノマド

 ◆「遊牧民の声」

10 チベット密教とレーニン像のある街で

11 ラーゲリの家族劇場

12 顔たち 遊牧の民の末裔

◆ユーラシアンオペラを彩る海外アーチスト②マリーヤ・コールニヴァ

〈黒海編〉

1 懐かしいイスタンブールの大声

2 トルコ歌謡と日本歌謡

3 ガラタ橋のセロニアス・モンク

4 アジアの両端 イスタンブール=釜山

5 大陸の雷魚 東西アジアの声

6 骨の振付家との再会

7 イスタンブール・ミーティング

8 ボスポラスの響きと地を這う声

9 ユーラシアンオペラを夢想した街で

◆ユーラシアンオペラを彩る海外アーチスト③サーデット・チュルコス

10 オデッサの舞踏フェスティバルへ

11  ジャズ誕生の街?

12  ウクライナの舞踏家たちと

13  白塗りダンサーたちの多言語子守唄

14  世界初の女性飛行士 サビハ・ギョクチェン

◆ユーラシアンオペラを彩る海外アーチスト④ドミトリー・ダツコフ

 

第4章 シベリアに訊く 2017

1 イルクーツクの実験音楽祭に出る

2 シベリア暮らしと平均寿命

3 エイジアン・フリー・フォーク四重奏団

4 千の声の祈り トゥバ共和国のサインホ・ナムチラクと日本人墓地へ

5 唯物論的な墓を歩く 128

6 バイカル人間模様

 

第5章 ユーラシアンオペラ「Continental Isolation」2018東京

1 文字・女性・即興

◆「Continental Isolation」ストーリー

2 アーニャ・チャイコフスカヤと マレビト来訪

3 サーデット・チュルコズと マレビト来訪

4 マリーヤ・コールニヴァと マレビト来訪

5 サインホ・ナムチラクと マレビト来訪

6 ユーラシア交響

◆ウクライナ 老婆の「泣き歌」

 

第6章 岩手山に祈りつづける「シャーマン」

1 ミュージック・フロム・モリオカ

2 五体投地から始まったサインホの旅

3 民謡酒場と化した小料理屋

4 シャーマンからのメッセージ

5 I am a shaman of my life

 

第7章 タタールスタン・ロシア「草原の道」音楽創作記2019

〈タタールスタン編〉

1 男たちのアトリエ inカザン

2 マリ人の聖なる湖の上で フレーブニコフ追憶

3  ヴォルガのマラルメと

4 チュヴァシ民謡と与謝蕪村

5 「去り行く」三陸・宮古

6 「失われた7つの音」を踊るダンサー

7 架空の民族 歌のない歌

〈ロシア編〉

1 全身音楽家 オレク・カラヴァイチュクのこと

2 ソ連時代の非合法アジト 「アートセンター」という場所

3 サインホとペレストロイカ

4 ウクライナ古謡の世界と熱狂「アウクツィオン」ライブ

5 アレクセイ・クルグロフと世界の即興音楽

6 小さな美術館で聞いたカザフスタン大統領の辞任

7 フリーセッションの面白さ

8 禊・大斎・マースレニッツァ・どんど焼き

9 森のなかのアートレジデンス

10 街の小さな博物館

11 ロシアの霊性1 雑木林と雪道で考えた

12 ロシアの霊性2 おやじの十字架

13 バシコルトスタンのトランペット奏者、ユーリ・パルフェノフの眼

14 キャンディーズ in モスクワ

15 テングリ・ヴァージョン「終わりはいつも終わらないうちに終わっていく」

◆シャーマンの楽器に宿る霊性とユーラシアの天空崇拝

 

第二部 うたものがたり 口承芸能・民謡を巡って

 

1 独り唄の源流

2 「死者の歌」から「夢の歌」へ

3 「楢山節考」と「日本春歌考」

4 マテリアルな響きとともに

5 フォークソング(民謡)にならない声

6 韓国民衆芸能のダイナミズム

7 ユーラシアンオペラとしてのパンソリ

8 「安里屋ゆんた」と春香伝

9 韓国のロミオとジュリエット

10 和人のユーカラ/サハリンのアリラン

11 オタスの杜

12 文字のない歌 中島敦の「狐憑」とル・クレジオ

◆日本の歌の原像を想像するための4冊の参考書

◆西洋人が日本に聴いた「明治の音」

 

第三部 安寿と厨子王、カザフスタン・韓国へ

 

第1章 カザフスタンへの道 「山椒大夫」と「デデコルクト」

1 上演実現の経緯

2 ロシアの高麗人、ミハイロヴァとともに

3 シャーマンの楽器コブスで語る説経節

4 セミパラチンスク核実験場と前衛音楽家レートフ

5 ユーラシアンオペラ版「さんしょうだゆう」ストーリー

◆ユーラシアンオペラを彩る海外アーチスト⑤アリーナ・ミハイロヴァ

 

第2章 「さんしょうだゆう」創作日誌2019 カザフスタン

1 アルマティへ

2 高麗人の唄

3 高麗人の丘で

4 2種類のコブス

5 デュエット 奇跡の詩

6 カザフスタンの若手女子弦楽四重奏団

7 踊る遊牧民の末裔たち

8 遊牧の国で馬と対話する

9 オプティミズム 伝説のサイケロック歌手エゴール・レートフ

10 ペシミズム 失語 石原吉郎

11 吉郎と清志郎

12 安寿の失語 ダウン症のアーチストとともに

13 ソヴィエトロックの英雄ヴィクトル・ツォイ 戦争

14 「歌はあなたのために世界の扉を開きます」

 

第3章 韓国への道 さんしょうだゆう―沈清歌

1 韓国との出会い シャーマン音楽―韓国プロ野球―演歌

2 韓国語のわからない私

3 「さんしょうだゆう」から「沈清歌」へ

4 鄭梨愛とパンソリ

5 「正歌」の歌手との出会い

6 「この国に、近代はありません」

7 ふたたび「イマジン」

 

創作ドキュメント2019韓国 改作「さんしょうだゆうin韓国」」ストーリー

〈0 チャガン湖 Kazakhstan〉

1 誕生 福島 Japan

2 離 新潟 Japan

3 人魚 東海(日本海)6

4 盲、アイヌコタン 北海道 Japan

5 寒 サハリン/樺太 Russia

6 邂逅、 Ice road (韃靼海峡)

〈インタリュード シベリア・ザバイカル Russia〉

7 一九三七 ウシトベ Kazakhstan in USSR

8 受難 佐渡島 Japan

9 沈、印塘水 Korea

10 着、済州島 Korea

〈0「チャガン湖」 Kazakhstan―不忍池 東京―福島〉

 

第4章  「さんしょうだゆう」その後

1 ワルツ

2 原郷と異郷の旅

◆私の「わが西遊記」

 

 

第四部 埼玉発のユーラシアンオペラ

 

1 円形劇場または広場にて

2 ワラビスタンに暮らす

3 トルコの前衛が教えてくれたクルドの歌

4 クルドの娘が教えてくれた「クルドの娘」

5 もうひとつのユーラシアンオペラ

6 強いられた沈黙から

7 2022年の円形劇場

◆「これは音楽なのだろうか……」

      トルコの振付家とのイスタンブールの日々 2011~2013

 

最終章 日本舞踊家西川千麗の夢想、あるいは教え

1 ジュネーブの夜

2 書簡(Eメール)

3 孤独

4 アールブリュット

5 ジュネーブ 2013年12月

6 京都 2012年12月

7 「孤独の散歩者の夢想」

8 声 パリ 東京

 

あとがき

年表

 

付録 索引

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